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子どもの自己理解とは?「好き」「苦手」を見つける親の関わり

この記事でわかること

「何がしたい?」と聞いても「分からない」。好きなことを見つけてあげたいのに、どう聞けばよいか迷うことがあります。まずは答えを急がず、本人が手を伸ばすものや、もう一度やりたがる遊びを一緒に見てみましょう。自己理解は、自分の好きなことや困っていることに気づくことです。

自己理解。能力に合わせた親子や友達の場面を描いた水彩画。

好きなことが分からないとき、親にできること

「好きなものを言って」と聞く以外にも、子どもの思いに近づく方法があります。いつもの遊びの中で、楽しかったことや手伝ってほしいところを一つ聞いてみます。

  • 何をするか迷っていたら、遊びを二つ見せて「少しやってみる?」と誘う。
  • 遊びの後は「またやりたいところはあった?」と聞く。返事を求め続けず、指さしや行動も見る。
  • 途中でやめたら、嫌いと決めず「ここが難しかった? 今日は終わりにする?」と確かめる。

声をかけるなら

「まだ決めなくてもいいよ。私が始めるのを見る?」
この記事の目次

好きなのにやりたがらない。こんなときは?

いつもの遊びを選ばないとき

昨日まで好きだった工作を断っても、すぐに「飽きっぽい」とまとめず、「今日は見るだけにする?」と今の希望を聞きます。理由を説明できなくても、選び直せるようにします。

着替えで「できない」と言うとき

全部を苦手と決めず、「袖を通すところ? ボタンのところ?」と一か所ずつ確かめます。大人が一部を手伝い、本人が続ける場所を選んでも構いません。

友達と違うものを選ぶとき

友達が鬼ごっこをしていても、本人は砂遊びをしたいかもしれません。「みんなと同じがいい?」と誘導せず、自分の希望を持つことと、一緒に遊ぶ相談を分けて扱います。

遊んだ後に「またやりたい?」と聞いてみよう

好きなことを発表させる時間を増やすより、遊びの途中で本人の希望が表れる余地をつくります。

  1. 子どもが関心を持った活動を一つ選び、「一緒にする」「そばで見ていてもらう」など遊び方を示します。
  2. 短く試した後で「どのところが楽しかった?」と聞きます。答えにくければ、使った道具を指さすだけにします。
  3. 次に同じ活動をするとき、「前は紙を押さえると描きやすかったね。今日はどうする?」と支えを選び直します。

記録するなら「工作が苦手」より「紙が動くと切りにくかった。押さえてほしいと言った」のように、場面と子どもの言葉やしぐさを残します。得意・不得意の順位表にはしません。

選ぶ入口がほしいときは、「お絵描きと積み木から、今日したい遊びを選ぶ」の遊び方も使えます。選択肢を増やしすぎず、今は選ばなくてもかまいません。

こんなとき、どうする?

「何が好き?」に答えられません

大きな質問を繰り返さず、「この二つなら、今はどちらを見る?」と具体的にしてみます。言葉で答えることを目標にせず、近づく・指さす・離れる様子と本人の希望を確かめます。大人の解釈は「こっちが気になるのかな」と仮の言葉に留めます。

苦手なことも言わせた方がよいですか?

苦手探しを日課にする必要はありません。困った場面で「どこを一緒にしようか」と聞いてみましょう。自分の特徴を扱う概念は公的な一覧にもありますが、その掲載を幼児用の自己分析課題に読み替えることはできません。国立教育政策研究所・社会情緒的コンピテンスの一覧[3]

大人が思う得意と、本人の希望が違います

「上手だからやるべき」と決めず、上手にできた事実と、本人がやりたいことを別々に聞きましょう。今日は別の遊びをする選択も残せます。

「好きなこと」がすぐ言えなくても

答えがなければ、質問はそこで終えてかまいません。「これで遊びたかったのかな」と思っても決めつけず、次に本人が選ぶ様子を見てみましょう。毎回メモをつける必要もありません。

まずは、今日やりたいことを一つ聞いてみよう

今日の遊びで「またやりたい?」と、一度聞いてみましょう。言葉が出なくても、選んだものや指さした先を見てみます。好きなことを一つに決めず、その日の希望を聞ければ十分です。

大人になってからも、こんな場面で

自分の好きなことと負担を知ることは、自分に合う暮らし方や関わり方を選ぶ手がかりになります。

大人の暮らしに置き換えると、こんな場面が考えられます。

仕事の選び方

  • 「人の話を聞くのは好き。急な予定変更は負担」など、好きなことと負担を分ける。
  • 職種名だけでなく、働く時間や相談相手も含めて、自分に合う条件を考える。

身近な人への頼み方

  • 疲れた日は「話を聞いてほしい」「一人で休みたい」と希望を伝える。
  • 察してもらうだけにせず、自分の状態と必要な助けを言葉にする。

周りと違う選択

  • 友人の趣味や暮らし方に、そのまま合わせず、自分が大事にしたいことを確かめる。
  • 自分の希望を手がかりに、違う選択にも納得できるか考える。

一つの性格で自分を決めつけず、その時々の希望と必要な支えを確かめます。

この例について、詳しく読む

CASELの自己認識の定義を手がかりにしています。[1] ここに挙げた生活場面は、定義から考えた編集部の例です。ここで紹介した遊びをすれば、将来このようになると示されたわけではありません。

「自分を知る」と「自信を持つ」はどう違う?

  • 自己理解:「絵は好き。でも、みんなの前で話すのは苦手」のように、自分の好みや困ることを知ること。
  • 自己肯定感・自尊感情:うまくできない日も、自分を大切な存在だと思えること。
  • 自己効力感:「この絵なら自分で描けそう」と、あることをできそうだと思うこと。

好きなことと、できる自信は同じとは限りません。「上手だからやりたいはず」と決めず、今の希望を聞いてみます。自己効力感と自尊感情の違い[2]

自己理解って、どんなこと?

教育の枠組みであるCASELは、自己認識に、自分の感情・考え・価値観や、強み・限界を理解することを含めています。本記事の「好き・苦手・必要な助け」は、その考え方を家庭向けに整理したものです。CASELは就学前から成人までの教育を扱う枠組みで、幼児の合否を判定する検査ではありません。CASELの自己認識の説明[1]

たとえば「絵は好き。でも大勢の前で説明するのは今日は嫌だ」という希望には、好きな活動と参加しやすい条件が両方含まれています。「絵が得意な子だから発表できるはず」と一つにまとめず、別々に聞いてみましょう。

育む活動

自己理解では、自分がしたいことや、必要な手助けに気づく場面を大切にします。家庭では、遊びや参加の仕方を本人が選べるようにします。

気になる活動を選ぶと、遊び方と道具を確認できます。年齢は選ぶ目安です。順番に取り組む必要はなく、途中で終えても構いません。

離して置いた紙・色鉛筆と積み木から、4歳の子どもが紙を指さして選び、大人が見守っている4歳の家庭向けの例・3〜5分の目安お絵描きと積み木から、今日したい遊びを選ぶお絵描きと積み木を並べて、気になる方で遊びます。「今日はこれがしたい」という気持ちを、実際に触りながら見つけてみましょう。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. お絵描きの道具と積み木を並べ、「今日はどちらで遊ぶ?」と聞きます。迷っていたら、大人が少し遊んで見せます。
  2. 選んだ遊びを始めます。「一緒にやろうか?」と聞き、一人で遊びたそうならそばで見守ります。
  3. 遊び終わったら「またやりたい?」と聞いてみます。感想が出なくても、そのまま片付けて大丈夫です。

用意するもの

  • 紙と太めの色鉛筆
  • 大きめの積み木数個

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

紙・画用紙

お絵描きに使う紙

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

描きやすい色鉛筆

描く遊びの道具

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

大きめの積み木

描く遊びと並べる、もう一つの選択肢

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:安定する大きめの空き箱。橋の土台は高さのそろった丈夫な箱でも。

商品例:ボーネルンド オリジナル積み木 カラー

道具を使うときの注意

小さいパーツを避け、低い位置で使います。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

好きな理由を説明させず、指さした方を用意します。前と違う選択でも訂正しません。

準備・注意
積み木は口に入らない大きさを選び、描く場所と積む場所を分けます。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

大人が一つの道具を使うのを見るだけにします。触ることも返答も求めません。

もう少し楽しむなら

二つとも気になったら両方を短く試します。好きなものを一つに決める必要はありません。

やめどき
選ぶことに疲れたら、道具を一つに減らすか、大人が遊ぶのを見るだけで終えます。

人形の服を作り、ほしい手助けを選ぶを親子で試している場面5歳の家庭向けの例・5〜10分の目安人形の服を作り、ほしい手助けを選ぶぬいぐるみに布を巻いて、服を作ります。持ちにくいところや結びにくいところがあれば、「どこを手伝おうか」と一緒に考えます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. ぬいぐるみと布を出し、「服を作ってみよう」と誘います。大人が布を巻いて見せても構いません。
  2. 子どもが巻いてみて難しそうなら、「ここを持っていようか?」と手伝う場所を聞きます。
  3. 「これで巻きやすくなった?」と確かめます。違うと言われたら手を止め、どこを手伝ってほしいか聞き直します。

用意するもの

  • ぬいぐるみ
  • 巻きやすい大きめの布

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

人形・ぬいぐるみ

布を巻き、頼みたい手助けを選ぶ相手

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の人形や紙に描いた登場人物。服を巻く遊びは丸めたタオルでも。

商品例:IKEA ファブレル ビョーン 21cm

道具を使うときの注意

手順に合う大きさを選びます。同じ商品を買いそろえる必要はありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

本人が選んだ部分を手伝い、残りをするかどうかも本人に聞きます。自力を成功条件にしません。

準備・注意
布は人形にだけ巻きます。首や顔を覆う遊びにせず、きつく結びません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

子どもが布の色や置く場所を選び、大人が巻きます。

もう少し楽しむなら

「手を出さずに見ていて」も選べます。途中で助け方を変えて構いません。

やめどき
布が絡んで困ったら大人が外します。助けを選ぶことも嫌なら、巻く遊びを終えます。

遊びやすい場所と道具を、絵でメモするを親子で試している場面6歳の家庭向けの例・5〜10分の目安遊びやすい場所と道具を、絵でメモするお絵描きをする場所や道具を選んで、使ってみます。気に入った場所や道具を絵に残しておくと、次に遊ぶときのヒントになります。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 紙と色鉛筆を出し、机と床など、安全に描ける場所を二つ示します。子どもが選んだ場所で描き始めます。
  2. 描きにくそうなら、紙の位置や道具を一つ変えて試します。「こっちの方が使いやすい?」と聞いてみます。
  3. 次も使いたい道具や場所があれば、絵や短いメモに残します。次の日は、同じ方法がよいか改めて確かめます。

用意するもの

  • 紙
  • 太めの色鉛筆
  • 本人が選ぶ描く・積むなどの道具

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

紙・画用紙

使いやすかった道具や場所のメモ

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

描きやすい色鉛筆

使いやすかった道具や場所を絵に残す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

あると便利

大きめの積み木

積む遊びを選んだ場合だけ

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:安定する大きめの空き箱。橋の土台は高さのそろった丈夫な箱でも。

商品例:ボーネルンド オリジナル積み木 カラー

道具を使うときの注意

小さいパーツを避け、低い位置で使います。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

得意・苦手の評価を書かず、本人が言った希望を短い絵や言葉で残します。次回も確認し直します。

準備・注意
机や床の場所は大人が整えます。道具や姿勢を一度に全部変えず、一つずつ試します。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

メモを作らず、使いやすかった道具を一つ指すだけにします。二つの実物から選ぶ方法も試せます。

もう少し楽しむなら

言葉で説明したくなければ、道具の置き方で希望を示してもらいます。

やめどき
希望を聞かれることが負担ならメモは作りません。使いやすい物を選んで終えるだけでも。

声かけ

場面に合う一言から。言いやすい形に変えて構いません。

言えば効果が出る決まった言葉ではありません。返事を急がず、その日の希望に合わせて変えられます。

参考にした資料

言葉の説明は以下の資料を参考にしています。遊びや声かけは家庭向けに考えた例で、同じように試せば必ず効果があるというものではありません。

資料の一覧と、参考にした内容
  1. What Is the CASEL Framework?

    資料の種類:枠組み作成機関による公式説明。対象:就学前から成人を含む教育の枠組み。参考にした範囲:自己理解・自己管理・社会への気づき・人間関係・意思決定の定義と、発達段階や環境についての公式説明。動画・配布資料は未確認。この資料で分からないこと:家庭用の診断検査ではありません。掲載する遊びはCASELの公式プログラムではありません。確認日:2026-10-06。

  2. Guide for Constructing Self-Efficacy Scales

    資料の種類:理論提唱者による概念・測定法の章。対象:一般的な概念と測定法の解説。参考にした範囲:307〜310頁の導入と、尺度の内容・活動領域を定める説明。後続の尺度例全体は未確認。この資料で分からないこと:自己効力感と自尊感情は異なります。幼児の望ましい得点や、記事の声掛けの効果を示す資料ではありません。確認日:2026-10-06。

  3. 表2 社会情緒的コンピテンスの一覧

    資料の種類:公的研究の概念整理表。対象:乳児期から青年期等、異なる発達段階を含む。参考にした範囲:1ページの一覧表のうち、気質・性格特性・感情理解・共感性・向社会的行動・自己概念・自己効力感・自尊心等の説明。原報告書と引用研究の全文は未確認。この資料で分からないこと:4〜6歳の発達を判定する表ではありません。「自己肯定感」をすべての研究で同じ意味とみなすこともできません。確認日:2026-10-06。

関連研究の対象・結果・限界を読む

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