「わからない」「なんでもいい」が多い子。気持ちをどう聞く?
この記事でわかること
「自分で考えて」と重ねる前に、質問を小さくしてみましょう。「外と家、今日はどちらがいい?」のように答えやすくし、指さしや「今は決めない」も受け取ります。
この記事の目次
質問をひとつ、小さくする
「今日はどうだった?」と聞いても「わからない」。知りたくて質問を足すほど、親も子も疲れてしまうことがあります。まず、今日一日をまとめてもらうのをやめて、目の前の一場面を聞いてみます。
帰宅した直後なら、質問より水分や休憩を先にする選択もあります。黙っている理由を「意見がないから」と決めず、聞く時間も変えてみましょう。
- 「何をしたい?」→「積み木とお絵描き、どちらを出そう?」
- 「何が嫌なの?」→「音が気になる? それとも別のこと?」
- どちらも違うと言われたら「そっか、今はわからなくてもいいよ」
「なんでもいい」を、そのまま受け取る日も
本当にどちらでもよいこともあります。何度も選び直させず、「今日は私がうどんにするね」と大人が引き受けて構いません。毎回、自分の希望を説明する練習にしなくて大丈夫です。
ただ、親が望む答えだけを採用していないかは振り返れます。選べない予定なら「どうしたい?」と聞くより、「今日は病院に行くよ。持っていく本は選べるよ」と、選べる部分をはっきりさせます。
言葉のほかにも、返事はある
絵本を指す、二つの服の片方を持つ、首を横に振る。それも今の希望を知る手がかりです。「ちゃんと言って」と言い直させず、「こっちにするんだね」と確認してみます。
大人が言葉を添えるときは、決めつけずに「そう感じたのかな」と確かめるように伝えます。「悲しかったんだね」に「違う」と返ったら、「違ったね。教えてくれてありがとう」で止められます。気持ちの正解を当てるクイズにはしません。
たとえば明日の服を選ぶ場面なら、二着を置いて親は別の支度をします。その場でじっと答えを待つより、考える間を作る提案です。それでも決まらなければ「今日はこれを出しておくね」と引き受けます。答えを引き出せたかより、分からないままでも会話を終えられたかを大切にしてみましょう。
聞けない日・答えたくない日は短く終える
夕飯や出発の時間が迫っている日は、「今は私が決めるね。違う希望があったら教えて」で十分なこともあります。親が苛立ってきたら、質問を続けるより一度区切りましょう。
あとで子どもがぽつりと話し始めたら、そのときに聞きます。先ほど答えなかったことを責めず、「そうだったんだ」と受け取るところから。話さない様子で困りごとが続くなら、園ではどんな伝え方をしているか、先生にも具体的な場面を聞いてみてください。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
現物を二つ並べて、指さしで選べる形を試します。両方選ばない返事も受け取ります。
5歳ごろ
「今日、もう一回したい遊びはあった?」と一場面を聞く例。答えがなくても続けて問い詰めません。
6歳ごろ
「話す・描く・あとにする」から伝え方を選ぶ例。6歳だから説明できるはず、と求めません。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- こども家庭庁掲載「体罰等によらない子育てを広げよう!」
冊子p.8〜13の、気持ちを聞くこと・環境の調整・保護者が休むことを参考にしています。本文の会話と手順は編集部の提案で、効果を検証した介入ではありません。
- 文部科学省「幼稚園教育要領解説」(平成30年2月)
本文p.9〜11の、安心できる大人の存在、生活の見通し、興味や関心の広がりを参考にしています。園の教育に関する資料で、家庭の年齢別到達基準ではありません。
