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子どもの共感力とは? 友達の気持ちを考えるきっかけと声かけ

この記事でわかること

友達が泣いていても遊びを続ける。おもちゃを貸したがらない。「相手の気持ちが分からないのかな」と心配になる場面があります。まずは、そのとき何が起きていたのか、子ども自身の思いも聞いてみましょう。相手の気持ちを考えるきっかけと、親の声かけを紹介します。

共感。能力に合わせた親子や友達の場面を描いた水彩画。

「お友達の気持ちを考えて」と言う前に

相手がどう感じたかを、すぐ正解のように答えさせる必要はありません。何が起きたかを一緒に見て、聞けるときは相手にも確かめる、という順番で考えます。

  • 友達が泣いていたら「何があったのかな」と、状況を一緒に確かめる。
  • 貸したがらないときは「まだ使いたかった?」と、本人の希望も聞く。
  • 何かしたい様子なら「紙を持っていく? 声をかける?」と、できることを一緒に考える。

声をかけるなら

「まだ使いたいんだね。相手はどうしたいか聞いてみよう。」
この記事の目次

貸したくない・友達が泣いている。こんなときは?

おもちゃを貸したくない

まず「まだ使いたいんだね」と本人の希望を聞きます。その後で「相手も使いたいみたい。どうしようか」と両方の希望を並べます。「終わったら渡す」「別の物を探す」「今は貸さない」といった案を一緒に考えましょう。相手の気持ちを知ることが、そのまま自分の希望を取り下げる義務になるわけではありません。

友達が泣いている

「悲しいって決まったわけではないけど、困っているのかな」と、大人も推測として話します。「大丈夫?と聞く」「先生を呼ぶ」「少し離れて待つ」などを提案できます。子どもが戸惑って動けないときは、大人が対応してかまいません。すぐ助けなかった一場面を「優しくない」と結論づけないようにします。

自分の好きな遊びを相手が嫌がる

「あなたは追いかけっこが好き。でも、今はしたくないって言っているね」と、好みの違いを言葉にします。理由の説明や説得を求める前に、相手の「やめて」を受け止めます。そのうえで、自分がしたい遊びを別の相手とする、違う遊びを提案する、と選択肢を探します。

人形遊びで「どうしたかった?」と聞いてみよう

この年齢は遊びを選ぶための目安で、できるべき発達基準ではありません。

人形で「誘ったけれど、今は休みたいと言われた」という場面を作り、大人が「一緒に遊びたかったな」と自分側の希望も話してみます。子どもには人形の返事を任せ、うなずきや指さしだけでも続きを作れます。答えが浮かばなければ、大人が「あとで聞く?別の遊びをする?」と二つの案を示して終えます。

人形に遊びたいか、休みたいかを聞く遊びでは、相手に希望を尋ねてみます。慣れたら、返事が自分の予想と違う場面を一つ加えてみてください。絵本でも「この子はこう思っている」と決めず、「あなたにはどう見える?」と、話したいときだけ聞きます。

ごっこ遊びについては、3〜8歳を対象とする研究のメタ分析が社会的コンピテンスとの関連を報告しています。ただし大半が横断研究で、因果の方向は確定できません。この人形遊びや特定の絵本による共感力の改善を示した研究ではありません。「The Value of Pretend Play for Social Competence in Early Childhood」抄録・Discussion[3]

こんなとき、どうする?

「相手の気持ちを考えて」と毎回言ったほうがいい?

問い続けるより、「二人とも同じ物を使いたかったね」と状況を短く言葉にする方法があります。本人が怒っている最中は、その気持ちを先に聞き、落ち着いてから相手の話に戻ってもかまいません。

貸せない子は共感力が低いのでしょうか?

その行動だけでは分かりません。相手の希望を分かっていても、自分が大切にしたい物はあります。「分かること」と「譲ること」を分け、両方の希望が守れる方法を考えます。

表情の絵を正しく選べれば、共感力がある?

表情の手がかりを読むことは、相手の事情を知ることや必要な助けを考えることの全部ではありません。正答数で判定するより、実際のやりとりで本人の希望を確かめる機会を持ちましょう。

相手の気持ちを聞いても、答えが出ないときは

「悲しかったのかな」と親が一つの考えを伝えるだけでも話を終えられます。子どもに正解や謝る言葉を急がせず、物を返す・距離を取るなど、今必要なことは大人が手伝います。

まずは、子ども自身の気持ちも聞いてみよう

共感を家庭で扱うときは、「相手も自分と同じはず」と決めつけず、違う気持ちがあることを話の出発点にします。今日の一歩は「どうしたい?」と聞くこと。自分にも相手にも、答える・断る・助けを求める余地を残します。

大人になってからも、こんな場面で

気持ちを当てることより、分からない部分を残し、本人に確かめながら関わります。

大人の暮らしに置き換えると、こんな場面が考えられます。

仕事での支え方

  • 返事が少ない同僚を「分かっていない」と決めつけず、進めにくい点を聞く。
  • 相手の状況を知ってから、支え方を考える。

身近な人の話

  • 落ち込む友人には、すぐ励ます前に「話を聞いてほしい? 一緒に考えたい?」と確かめる。
  • 自分がよいと思う支えと、本人の希望を分ける。

自分と相手の希望

  • 家族を助けたくても、余裕がなければ、できる範囲を伝える。
  • 相手を思うことと、自分を後回しにし続けることを同じにしない。

誰にでも合わせるのではなく、自分と相手の両方を大切にする姿を考えます。

この例について、詳しく読む

CASELの社会的認識に含まれる他者の視点と共感の説明を参照しています。[1] ここに挙げた生活場面は、定義から考えた編集部の例です。ここで紹介した遊びをすれば、将来このようになると示されたわけではありません。

言葉の意味を、もう少し詳しく

共感には複数の側面があり、研究でも定義は一つではありません。相手が悲しそうだと気づくこと、相手の立場を想像すること、心配すること、実際に助けることは、つながりながらも異なります。国立教育政策研究所の整理でも、感情理解、共感性、向社会的行動は分けて扱われています。「社会情緒的コンピテンスの一覧」[2]

例えば、友達が絵を破いてしまったとき。「悲しいのかな」は感情への推測、「大切に描いたからかな」は立場への想像、「紙を持ってこようか」は行動の提案です。想像が当たっているとは限らないので、聞ける場面では本人に確かめます。

非認知能力という広い呼び方の中で、共感や他者理解は人との関係に関わるテーマです。社会情動的な学びの枠組みCASELは、他者の視点を理解することや共感を「社会的認識」に含めています。ただし、この枠組みは子どもの優劣を決める検査ではありません。「CASEL Framework」Social Awareness/The CASEL 5[1]

資料の対象と、この記事で参考にしたこと

出典は概念の整理と関連研究に用いています。国研の一覧は複数の発達段階、CASELは就学前から成人までを扱い、4〜6歳専用の家庭用尺度ではありません。本記事の声かけ・遊び自体の効果は未検証です。

育む活動

共感では、相手の気持ちや希望を決めつけず、返事を確かめる場面を考えます。まずは人形を相手に、大人と一緒に短く試せます。

気になる活動を選ぶと、遊び方と道具を確認できます。年齢は選ぶ目安です。順番に取り組む必要はなく、途中で終えても構いません。

遊ぶ・休むを表す二枚の絵の前で、子どもが人形役の大人の返事を確かめている4歳の家庭向けの例・3〜5分の目安人形に「遊ぶ・休む」の希望を聞く人形に「一緒に遊ぶ?少し休む?」と聞くごっこ遊びです。大人が人形の声で返事をし、その後どう過ごすか一緒に考えます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 紙に「遊ぶ」「休む」の簡単な絵を描き、大人が人形を持ちます。
  2. 子どもと一緒に「遊ぶ? 休む?」と人形へ聞き、大人が人形の声で答えます。
  3. 「休む」なら寝かせる、「遊ぶ」なら一緒に動かすなど、返事に合わせて遊びます。子どもが答える役も試せます。

用意するもの

  • 人形またはぬいぐるみ1体
  • 紙2枚
  • 太い色鉛筆

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

人形・ぬいぐるみ

大人が返事役を演じる

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の人形や紙に描いた登場人物。服を巻く遊びは丸めたタオルでも。

商品例:IKEA ファブレル ビョーン 21cm

道具を使うときの注意

手順に合う大きさを選びます。同じ商品を買いそろえる必要はありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

紙・画用紙

遊ぶ・休むの希望を二枚で示す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

描きやすい色鉛筆

希望の絵を描く

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

気持ちを決めつけず、相手の返事を本人に確かめます。子どもに慰め役や譲る役を任せきりにしません。

準備・注意
人形の架空の場面で試します。実際の友達を泣かせる設定にせず、貸すことを参加条件にしません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

子どもは二枚を並べる役だけにし、大人が質問と返事を一度見せます。

もう少し楽しむなら

同じ人形が次は違う返事をする場面にし、「さっきとは違う希望だね」と確かめます。

やめどき
相手役の気持ちを考えたくなければ、大人が人形を動かします。貸したくない返事でも遊びを終えられます。

二体の人形の希望を聞き、過ごす場所を相談するを親子で試している場面5歳の家庭向けの例・5〜10分の目安二体の人形の希望を聞き、過ごす場所を相談する遊びたい人形と、休みたい人形。それぞれどこで過ごすとよさそうか、親子で人形を動かしながら考えます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 親子で人形を一体ずつ持ちます。片方は「走りたい」、もう片方は「休みたい」と話します。
  2. 紙を広場や休憩場所に見立て、どこで過ごすか相談します。
  3. 少し離れて遊ぶ、休んでから一緒に遊ぶなど、思いついた方法で人形を動かします。
  4. 役を交代して遊びます。途中で希望が変わったら、もう一度聞いてみます。

用意するもの

  • 人形2体
  • 座る場所を示す紙2枚
  • 大きめの布1枚

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

人形・ぬいぐるみ

二体で違う希望を話す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の人形や紙に描いた登場人物。服を巻く遊びは丸めたタオルでも。

商品例:IKEA ファブレル ビョーン 21cm

道具を使うときの注意

手順に合う大きさを選びます。同じ商品を買いそろえる必要はありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

紙・画用紙

それぞれの過ごす場所を示す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

代弁するときは「これで合っている?」と確認します。どちらかを優しい子にするための譲歩を求めません。

準備・注意
布は人形の敷物にし、人の顔にはかけません。「休みたい」を悪い返事にせず、二人の場所を分けます。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

大人が人形二体の希望を示し、子どもは場所を指さす役にします。

もう少し楽しむなら

返事を聞いた後に「途中で気が変わった」場面を作り、もう一度希望を聞きます。

やめどき
どちらかが休みたいなら役遊びも休みます。相手への配慮を続けることを、子どもの仕事にしません。

人形に質問し、返事に合う関わりを考えるを親子で試している場面6歳の家庭向けの例・5〜10分の目安人形に質問し、返事に合う関わりを考える人形は何をしたいのでしょう。想像するだけでなく、実際に聞いてみるごっこ遊びです。返事を聞いてから、次にすることを考えます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 大人が人形を少し離れた場所に置きます。「何をしたいのかな?」と子どもに話しかけます。
  2. 「一緒に遊ぶ?」「休みたい?」など、子どもが聞きたいことを人形へ尋ねます。
  3. 大人が人形の声で答えます。休みたいなら少し離れるなど、返事に合わせて子どもと遊びを考えます。
  4. 役を交代します。想像と違う返事が返ってきたら「そうだったんだね」と聞いてみます。

用意するもの

  • 人形2体
  • 紙・色鉛筆(返事を記録したい場合だけ)

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

人形・ぬいぐるみ

希望を聞く役と答える役を試す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の人形や紙に描いた登場人物。服を巻く遊びは丸めたタオルでも。

商品例:IKEA ファブレル ビョーン 21cm

道具を使うときの注意

手順に合う大きさを選びます。同じ商品を買いそろえる必要はありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

あると便利

紙・画用紙

希望の返事を残したい場合だけ

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

あると便利

描きやすい色鉛筆

描いて残したい場合だけ

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

正しい気持ちを言い当てる問題にしません。確認できない気持ちは分からないままにし、自分の希望も残します。

準備・注意
聞く相手はまず人形にします。友達の個人的な気持ちを代わりに書いたり、答えを迫ったりしません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

「隣にいていい?」「静かにしたい?」の二つを大人が出し、指さしで選びます。

もう少し楽しむなら

人形役が「まだ分からない」と答え、決めるのを待つ場面を試します。

やめどき
返事を考えるのが負担なら「まだ分からない」で終了。質問する役を大人に頼むこともできます。

声かけ

場面に合う一言から。言いやすい形に変えて構いません。

言えば効果が出る決まった言葉ではありません。返事を急がず、その日の希望に合わせて変えられます。

参考にした資料

言葉の説明は以下の資料を参考にしています。遊びや声かけは家庭向けに考えた例で、同じように試せば必ず効果があるというものではありません。

資料の一覧と、参考にした内容
  1. What Is the CASEL Framework?

    資料の種類:枠組み作成機関による公式説明。対象:就学前から成人を含む教育の枠組み。参考にした範囲:自己理解・自己管理・社会への気づき・人間関係・意思決定の定義と、発達段階や環境についての公式説明。動画・配布資料は未確認。この資料で分からないこと:家庭用の診断検査ではありません。掲載する遊びはCASELの公式プログラムではありません。確認日:2026-10-06。

  2. 表2 社会情緒的コンピテンスの一覧

    資料の種類:公的研究の概念整理表。対象:乳児期から青年期等、異なる発達段階を含む。参考にした範囲:1ページの一覧表のうち、気質・性格特性・感情理解・共感性・向社会的行動・自己概念・自己効力感・自尊心等の説明。原報告書と引用研究の全文は未確認。この資料で分からないこと:4〜6歳の発達を判定する表ではありません。「自己肯定感」をすべての研究で同じ意味とみなすこともできません。確認日:2026-10-06。

  3. The Value of Pretend Play for Social Competence in Early Childhood: A Meta-analysis

    資料の種類:査読メタ分析。対象:3〜8歳を扱う研究の統合。参考にした範囲:要旨、研究対象、考察。効果量の原表と補遺全体は未確認。この資料で分からないこと:社会的な力を幅広く扱う資料です。このサイトの人形遊びや絵本による効果を示すものではありません。確認日:2026-10-06。

関連研究の対象・結果・限界を読む

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