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子どもの自己制御とは? 待てない・切り替えられないときの関わり

この記事でわかること

「もう帰るよ」と言っても遊びをやめない。順番を待てず、先に手が出てしまう。そんなときは「我慢して」と繰り返す前に、いつ終わるか、次に何をするかを具体的に伝えてみます。自己制御を、遊びの終わり方や交代の場面から解説します。

自己制御。能力に合わせた親子や友達の場面を描いた水彩画。

「やめて」「待って」だけで伝わらないときは

自分で行動を切り替えることを、普段の遊びでどう支えるかを考えます。まず一つの場面を選び、子どもに伝える内容を短くしてみましょう。

  • 遊びを終える前に「この一回が終わったら、靴を履こう」と終わり方を確認する。
  • 順番待ちでは「次はあの子、その次があなた」と、順番を具体的に伝える。
  • 切り替えられないときは「まだやりたかったんだね」と聞きながら、今できる選択を一つずつ示す。

声をかけるなら

「最後に一回したら、靴を履こう。一緒に行こう。」
この記事の目次

遊びをやめない・順番を待てないときの声かけ

積み木を終えられないとき

作りかけのものを急に片付けられると、子どもは続きをどうすればよいかわからず、戸惑うことがあります。「ここを置いたら写真を撮って、続きは明日にする?」と、作品を残す方法と区切りを相談します。

順番が来るまで割り込んでしまうとき

「我慢して」だけを繰り返さず、「この人の次」と順番を見えるようにします。長い列では、待つ場所や大人の付き添いを調整することも選択肢です。

帰宅後、次の支度に移れないとき

荷物を置く、手を洗う、着替える、と一度に伝えず、まず一つだけ示してみます。その日の疲れや空腹、周りの音も含め、本人が取り組みやすい条件を探します。

いずれも、できた秒数の記録より「何の途中だったか」「次が分かっていたか」「どんな支えを使ったか」を見ます。

「今すること」と「次にすること」を見せてみよう

紙を二枚用意し、一枚に今の遊び、もう一枚に次の活動を簡単に描きます。写真や実物でも構いません。

  1. 終わりが近づいたら並べて、「今は電車。次はご飯だよ」と知らせます。
  2. 「最後に一周する? 駅に止める?」など、実際に選べる終わり方を示します。
  3. 子どもが選んだ区切りで、大人も一緒に移ります。難しければ、片付けを一部分だけ手伝ってもらう形に変えます。

「あとで」と約束したことは、できるだけ具体的に扱いましょう。翌日に続けられないなら、続きができると約束せず、写真を残すなど可能な案を出します。毎回うまく移れなくても、親子で我慢比べになりそうなら、手伝い方を変えてみます。

止まる・動く合図を遊びとして楽しみたい日は、「玩具の乗り物を、合図で動かしたり止めたりする」の手順へ。終われなかった日の罰や、待てるかどうかの試験には使いません。

こんなとき、どうする?

待つ練習は、長くした方がいい?

ここで確認した研究から、そのようには言えません。参照レビューは3〜6歳の園での介入をまとめたもので、家庭で待ち時間を延ばす訓練の有効性を示した資料ではありません。まず必要な待ち時間を短くできるか、順番が分かるかを考えましょう。[1]

言うことを聞ければ、育っているということ?

指示どおり動くことだけでは捉えられません。「まだ使いたい」「手伝って」と伝えて別の方法を相談することも、家庭では大切にしたい行動です。危険があるときの制止は大人が担い、何でも本人の判断に委ねる必要はありません。

園ではできるのに家では難しいのは、甘えですか?

その情報だけで理由を決められません。合図、人数、手順、時間帯など、場面を具体的に比べます。園で使っている知らせ方を聞き、家庭でも無理なく使える部分を一つ試す方法があります。

予告しても、帰りたがらないときは

「まだ遊びたいんだね。でも今日は帰る時間だよ」と、気持ちと予定を短く伝えます。「靴を履くのを手伝おうか」と、次の一つを一緒に進める方法もあります。帰ること自体を何度も交渉し続けなくて大丈夫です。

まずは、遊びの終わり方を一緒に決めよう

自己制御が気になるときは、「もっと我慢する」より先に、子どもが終わりと次の活動を理解できるか確かめましょう。予告する、一緒に動く、待ち時間を調整する。その場に合う支えを使いながら、本人が次の行動を選べる余地をつくります。

大人になってからも、こんな場面で

感情や衝動がある中でも、すぐ動く前に目的を確かめ、行動を選ぶ場面があります。

大人の暮らしに置き換えると、こんな場面が考えられます。

仕事の連絡

  • 厳しいメールには一呼吸おき、事実と伝えたいことを整理して返す。
  • 腹が立つ気持ちと、送る文章を分けて扱う。

意見が違う話し合い

  • 途中で遮る代わりに「そこは違う考えがある」と伝える。
  • 黙って従うのではなく、話し合う目的に合う言い方を選ぶ。

夜の過ごし方

  • 動画を続けたくても、翌朝の予定を考えて区切りを決める。
  • 通知を切る、終了時刻を決めるなど、気合いだけに頼らない環境を作る。

我慢し続けることを理想にせず、衝動と大切な目的の間に、行動を選ぶ余地を持ちます。

この例について、詳しく読む

CASELの自己管理が扱う感情・行動の調整を参照しています。[2] ここに挙げた生活場面は、定義から考えた編集部の例です。ここで紹介した遊びをすれば、将来このようになると示されたわけではありません。

言葉の意味を、もう少し詳しく

研究では、これらの用語の範囲は完全には統一されていません。幼児の自己調整・実行機能を扱うレビューも、分野による定義や測定の重なりを指摘しています。本記事では、自己制御を主に行動の調整に注目する入口、自己調整を感情・思考・行動まで含めた広い見方として使います。Muirらのレビュー・概念整理節[1]

実行機能は、情報を覚えて使う、反応を抑える、考え方を切り替えるといった認知過程です。自己制御と関わりますが、「頭を使う認知能力」と「頭を使わない非認知能力」に分ける説明はできません。

また、気持ちを整えることに注目するなら感情理解・感情調整へ。「悔しい」と感じることと、相手をたたかずに伝えることは分けて考えます。CASELも、自己管理に感情と行動の双方を含めています。CASELの自己管理[2]

育む活動

自己制御では、動きを止める・次へ移る場面を、大人と短く試します。我慢できるかを採点せず、分かりやすい合図や見通しを用意します。

気になる活動を選ぶと、遊び方と道具を確認できます。年齢は選ぶ目安です。順番に取り組む必要はなく、途中で終えても構いません。

床に座った親子が玩具の乗り物を持ち、大人が動きを止める合図を示している4歳の家庭向けの例・3〜5分の目安玩具の乗り物を、合図で動かしたり止めたりする玩具の車や電車を走らせ、「止まれ」の合図でストップ。動かす役と合図する役を交代して遊びます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 床で大人と子どもが車を動かします。大人が「赤信号、とまろう」と言い、自分の車を止めて見せます。
  2. 少し待って「青信号、しゅっぱつ」と動かします。合図が聞き取りにくければ、手でも知らせます。
  3. 子どもも合図係をやってみます。速さを競わず、車を動かすやり取りを楽しみます。

用意するもの

  • 大きめの玩具の車や電車
  • 平らな机または床

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

大きめの玩具の車・電車

座ってゆっくり動かし、短い停止の合図を試す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の車・電車や、車に見立てた丈夫な小箱。

商品例:BRIO マイファースト ビギナーセット 33727

道具を使うときの注意

脱落する小さい部品を避けます。電動機能は不要です。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

止まれた回数を数えず、合図が伝わる方法を探します。長く待たせません。

準備・注意
玩具の部品が外れないか確認し、低い平面で遊びます。急な大声や驚かせる合図は使いません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

大人の玩具を見たり、「出発」の合図を出したりする役にします。

もう少し楽しむなら

声が聞き取りにくければ、開いた手を見せる合図に変えます。

やめどき
止まる遊びが嫌なら合図をやめ、自由に動かして終えます。止まれた回数は数えません。

紙の駅へ乗り物を戻して、遊びを終えるを親子で試している場面5歳の家庭向けの例・5〜10分の目安紙の駅へ乗り物を戻して、遊びを終える紙で駅を作って、車や電車を走らせます。遊びを終えるときは駅へ戻る、という流れを最初に決めておきます。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 紙で駅を作り、どこに置くか子どもと決めます。「最後はここへ戻ろう」と話してから遊びます。
  2. 終わりが近づいたら「次は手洗いだよ。最後に駅へ戻ろう」と知らせます。
  3. 一緒に乗り物を駅へ戻し、片付けます。残したい道があれば、置いておける場所を相談します。

用意するもの

  • 玩具の車や電車
  • 駅にする紙1枚
  • 太めの色鉛筆

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

大きめの玩具の車・電車

終わりに本人が選んだ駅へ戻す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の車・電車や、車に見立てた丈夫な小箱。

商品例:BRIO マイファースト ビギナーセット 33727

道具を使うときの注意

脱落する小さい部品を避けます。電動機能は不要です。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

紙・画用紙

戻る駅を示す

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

描きやすい色鉛筆

駅の目印を描く

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

選べない予定は変えると約束せず、作品を残す・写真にするなど実現できる終わり方を用意します。

準備・注意
駅の紙は動線をふさがない所へ置きます。残せる場所を先に決め、残すと約束してすぐ壊しません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

駅の準備をせず、「ここに置いたら一緒に行こう」と置き場所を一つ示します。

もう少し楽しむなら

終わりの合図を声・絵・手の合図から本人が選びます。

やめどき
予告が負担になったら大人が次の準備を引き受けます。駅へ戻す動作を何度もやり直させません。

次の遊びへ移る合図を、一緒に決めるを親子で試している場面6歳の家庭向けの例・5〜10分の目安次の遊びへ移る合図を、一緒に決めるお絵描きから積み木へ移るときなどに、どんな合図なら気づきやすいかを一緒に考えて試します。遊び方・道具・関わり方を見る

遊び方

  1. 「積み木の後にお絵描き」など、子どもがやりたい遊びを二つ相談します。絵や実物で順番を示します。
  2. 次の遊びを知らせる合図を決めます。声で伝えるか、絵を見せるか、わかりやすい方を選びます。
  3. 一つ目の遊びを終える前に合図を出し、大人も一緒に片付けます。遊びとして試す日なら、一つだけで終えても構いません。
  4. 後で「合図はわかった?」と短く聞きます。わかりにくければ、次は別の知らせ方を試します。

用意するもの

  • 紙2枚
  • 太めの色鉛筆
  • 積み木など本人が選ぶ玩具

足りない道具を探す

まず家にある物で。買い足す場合は、商品例のページで仕様を確認できます。

使う道具

紙・画用紙

二つの遊びを示す合図カード

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:裏紙や手元の紙。数枚を並べても大丈夫。

商品例:マルマン 図案スケッチブック B4 S120

道具を使うときの注意

普通の紙でできる活動に厚い紙は必要ありません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

使う道具

描きやすい色鉛筆

遊びの合図を描く

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:家の色鉛筆・クレヨン。大人の代筆もできます。

商品例:くもん こどもいろえんぴつ 6色 SE-23

道具を使うときの注意

握りやすさを本人と確かめます。色数や細い描写は求めません。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

あると便利

大きめの積み木

積み木を選んだ場合だけ

この道具でできる遊びを見る →

家にある物なら:安定する大きめの空き箱。橋の土台は高さのそろった丈夫な箱でも。

商品例:ボーネルンド オリジナル積み木 カラー

道具を使うときの注意

小さいパーツを避け、低い位置で使います。

イラストは道具のイメージです。購入リンクには商品の一例を挙げていますが、この商品でなければ遊べないという意味ではありません。購入前に製品の対象年齢と注意表示を確認してください。

大人の関わり方・注意

本人が決めたから守るべきと迫らず、合図・時間・手助けを変更します。切り替える責任を一人に負わせません。

準備・注意
二つの道具は混ざらないように置きます。合図は事前に相談し、急なルール変更をしません。

難しそうなら・もう少し楽しむなら

難しそうなら

振り返りはせず、大人が「今はこれ、次はこれ」と二枚を示して一緒に移ります。

もう少し楽しむなら

子どもが大人へ合図を出す役も選べます。急なルール変更で戸惑わせる遊びにはしません。

やめどき
次へ移る練習が嫌なら、今日は一つの遊びだけに。振り返りの返事も求めません。

声かけ

場面に合う一言から。言いやすい形に変えて構いません。

言えば効果が出る決まった言葉ではありません。返事を急がず、その日の希望に合わせて変えられます。

参考にした資料

言葉の説明は以下の資料を参考にしています。遊びや声かけは家庭向けに考えた例で、同じように試せば必ず効果があるというものではありません。

資料の一覧と、参考にした内容
  1. Interventions and Approaches Targeting Early Self-Regulation or Executive Functioning in Preschools: A Systematic Review

    資料の種類:査読系統的レビューの出版社全文HTML。対象:3〜6歳、複数国の園。参考にした範囲:導入、自己調整と実行機能の概念、目的、研究対象の説明。補遺と個々の研究の原著は未確認。この資料で分からないこと:用語の関係は研究によって異なります。ゲームの上達と日常生活での変化は区別して考えます。確認日:2026-10-06。

  2. What Is the CASEL Framework?

    資料の種類:枠組み作成機関による公式説明。対象:就学前から成人を含む教育の枠組み。参考にした範囲:自己理解・自己管理・社会への気づき・人間関係・意思決定の定義と、発達段階や環境についての公式説明。動画・配布資料は未確認。この資料で分からないこと:家庭用の診断検査ではありません。掲載する遊びはCASELの公式プログラムではありません。確認日:2026-10-06。

関連研究の対象・結果・限界を読む

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