順番待ちが苦手な子と、待ちやすくする工夫
この記事でわかること
「ちゃんと待って」を繰り返す前に、どこで・誰の次に・何をして待つかを具体的に伝えます。長すぎる待ち時間は、別の遊びや予定に替えることも考えましょう。
この記事の目次
いつ自分の番か、見えるようにする
遊具の前で割り込もうとしたとき、まず相手との間に入り、安全を確かめます。そのうえで「今はあの子の番。私たちはここから並ぶよ」と、次にすることを伝えます。
終わりが分からない待ち時間は、大人でもつらいものです。「すぐだよ」と約束できないことを言うより、分かる範囲を示します。列の決まりが不明なら、親が係の人に確かめましょう。
- 一列なら「この人の次」と場所を一緒に確認。
- 交代のルールがあるなら、何を合図に代わるかを確認。
- 所要時間が不明なら「まだ何分か分からない」と伝える。
待つ間の過ごし方を用意する
安全で周りの迷惑にならない範囲で、「赤いものを三つ探す」「次に何をするか話す」など、立ったままでできる小さな遊びを試せます。何もしないで静止することだけを、待つ練習にしなくてもよいのです。
暑さや疲れで難しそうなら、並ぶ前に休憩を取る方法もあります。列から離れるときは、その場所のルールに従い、戻れば元の場所に入れるとは約束しないようにします。
横入りしてしまったら、短くやり直す
「みんな待てるのに」と比べるより、「こちらが最後尾だよ。一緒に戻ろう」と動きを示します。必要なら親が相手に一言謝り、子どもには落ち着いてから短く説明します。
待てた時間の長さだけでなく、「抜かしたところから戻れた」「休みたいと伝えられた」など、その場でできた行動にも目を向けられます。うまくいかなかった分だけ長く待たせる、といった罰にはしません。
家で試すなら、ボールを一回ずつ転がすなど、交代がすぐ来る遊びを選べます。大人も順番を守り、子どもがやめたければ終えられる短い遊びにします。
待っている途中で「まだ?」と聞かれても、一度説明したから理解済みとは考えず、今分かることを短く返します。「あと二人だよ」と状況が変わったことを伝えたり、先が読めなければ一緒に係の人へ確認したりできます。
今日は待たない、も選んでいい
待ち続けるのが難しいときは「この列はやめて、空いている遊具にしよう」と予定を変えて構いません。病院など外せない用事なら、予約や外で待てる仕組みがあるか、先に施設へ確認する方法があります。
親も疲れている日は、混む時間を避けるだけでも負担を減らせるかもしれません。待てる子にしようと、その都度すべてを練習に変える必要はありません。
園では待てるのに外出先では難しい、という違いも手がかりです。人数、長さ、場所の違いを比べて、何が助けになるかを先生と相談できます。一つの列で待てなかったことを、その子の自己制御全体の評価にしないようにします。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
大人の隣で、すぐ交代できる遊びから試す例です。
5歳ごろ
「誰の次か」と「待つ場所」を本人と一緒に確認する例です。
6歳ごろ
待つか別の予定にするか、分かっている情報を伝えて相談する例。6歳でも長い待ち時間には支えが要ります。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- こども家庭庁掲載「体罰等によらない子育てを広げよう!」
冊子p.8〜13の、気持ちを聞くこと・環境の調整・保護者が休むことを参考にしています。本文の会話と手順は編集部の提案で、効果を検証した介入ではありません。
- 文部科学省「幼稚園教育要領解説」(平成30年2月)
本文p.9〜11の、安心できる大人の存在、生活の見通し、興味や関心の広がりを参考にしています。園の教育に関する資料で、家庭の年齢別到達基準ではありません。
