子どもの外遊びの効果は?1日の時間の目安と非認知能力との関係
この記事でわかること
外遊びが多い子ほど体力が高く、社会性や自己調整とも良い関係があると報告されていますが、外遊びで非認知能力が伸びると確かめた質の高い研究はまだありません。国の指針は屋内も含めて毎日合計60分以上体を動かすことを目安にしていて、暑さ指数と遊具の安全に気をつけながら、子どもが自分で遊びを選べる時間をつくることが大切です。
この記事の目次
子どもの外遊びの効果は?研究で分かっていること
外遊びの効果として、体力、社会性、自己調整(気持ちや行動を整える力)、自己肯定感がよく挙げられます。それぞれ、国の調査や研究でどこまで分かっているかを整理しました。
外遊びの効果として言われることと、分かっていること
| 言われる効果 | 分かっていること | 確かさ |
|---|---|---|
| 体力がつく | 外遊びの時間が長い幼児ほど体力が高い傾向。小学5年生も、運動時間が長い子ほど体力の点数が高い | ある時点の調査。体力のある子がよく動く、という逆の向きも考えられる |
| 社会性・自己調整が育つ | 屋外の遊びや自然を取り入れた保育と、社会性や自己調整の間に良い関係が報告されている | 研究のまとめ自身が、証拠の確かさを「低い〜非常に低い」としている |
| 自己肯定感が高まる | 子どもの頃に外遊びをよくしたと答えた大人ほど、自己肯定感が高い人の割合が大きい | 大人が昔を思い出して答えた調査。因果は分からない |
| 意欲が育つ | 体をよく動かす幼児ほど「いつもやる気がある」と評価された割合が高い。集中力にはほぼ差がない | 担任の先生が運動と性格の両方を評価している |
出典: 幼児期運動指針ガイドブック 出典: スポーツ庁 全国体力調査 令和7年度 出典: Brussoni ほか 2015 出典: Johnstone ほか 2022 出典: 国立青少年教育振興機構 2018
国の幼児期運動指針のガイドブックも、運動と心の育ちの関係を「単純な因果の関係としてではなく」見るよう書いています出典: 幼児期運動指針ガイドブック。外遊びは良いことが多いと考えられますが、「外遊びで非認知能力が伸びる」と言い切れる研究はまだありません。
一方で、外遊びをする機会は減っています。国の調査では、自然体験が「多い」「やや多い」と答えた子どもは、令和元年の38.7%から令和4年の33.8%に減りました出典: 国立青少年教育振興機構 令和4年度。日本学術会議は2020年の提言で、子どもが多様な外遊びをできる機会を保障するよう求めています出典: 日本学術会議 2020。
子どもの外遊びは1日どれくらい?時間の目安
文部科学省の幼児期運動指針は、幼児が「毎日、合計60分以上」楽しく体を動かすことを目安にしています。外遊びだけでなく、屋内で体を動かす時間も含めた合計です。指針自身が、明快なデータを示すのは難しいとしたうえで、4割を超える幼児の外遊びが1日60分未満だったことから、「実現可能な時間」として示しています出典: 文部科学省 幼児期運動指針出典: 幼児期運動指針ガイドブック。
体を動かす時間の目安
| 年齢 | 目安 | 出典 |
|---|---|---|
| 3〜4歳 | いろいろな強さの体を動かす活動を1日180分以上(そのうち60分以上は息がはずむ強さ)。座ったまま画面を見るのは1時間まで | WHO(2019年) |
| 3〜6歳(幼児) | 毎日、合計60分以上、楽しく体を動かす(屋内も含む) | 文部科学省 幼児期運動指針 |
| 小学生〜 | 体を動かす時間が少ない子は、少しでも体を動かす。参考に、息がはずむ強さ以上の活動を1日60分以上 | 厚生労働省 身体活動・運動ガイド2023 |
「外遊びは1日2時間」という数字は、幼児の外遊びの目安として国が示したものではありません。出典: WHO 2019 出典: 文部科学省 幼児期運動指針 出典: 厚生労働省 身体活動・運動ガイド2023
60分は、これだけすれば効果が出るという量ではなく、毎日の目安です。登園前や帰り道の寄り道、休みの日の公園など、短い時間を合わせて考えてかまいません出典: 文部科学省 幼児期運動指針。
外遊びで非認知能力が育ちやすい関わり方
研究の確かさは限られますが、カナダなどの専門家は、木登りや高い所など少し危ないことに挑戦できる屋外遊びは、健康な発達に欠かせないとする立場を表明しています出典: Tremblay ほか 2015。少し危ない屋外遊びの研究のまとめでも、体を動かす量や社会的な健康に良い結果が多く見られました出典: Brussoni ほか 2015。
外遊びのときの大人の関わり方
| 場面 | 大人がすること | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 遊びを選ぶ | 子どもが行きたい場所、やりたい遊びを選べるようにする | 大人が遊びの順番や時間を細かく決める |
| 少し危ないことに挑戦する | 手の届く所で見守り、危ない理由を短く伝える | すぐに「だめ」と止める。逆に、目を離して任せきりにする |
| 友だちと遊ぶ | 順番やけんかは、まず子ども同士で話せるよう待つ | 大人がすぐに解決してしまう |
| 帰る時間 | 帰る少し前に予告し、最後に何をするか子どもに選ばせる | 突然「帰るよ」と連れ帰る |
この表は研究の結果ではなく、子どもが自分で選び、少し危ないことにも挑戦できる遊びを勧める立場表明をもとに、家庭でできる形にまとめたものです。出典: Tremblay ほか 2015
このサイトの外遊びの例
それぞれのページで、年齢ごとの遊び方と声かけを紹介しています。
子どもの外遊びの安全:暑い日と遊具
夏の外遊びは、気温ではなく暑さ指数(WBGT)で判断します。環境省は、日本スポーツ協会の指針をもとに、暑さ指数ごとの運動の目安を示しています出典: 環境省 暑さ指数。
暑さ指数(WBGT)と運動の目安
| 暑さ指数 | 運動の目安 |
|---|---|
| 31以上(危険) | 運動は原則中止 |
| 28以上31未満(厳重警戒) | 激しい運動は中止 |
| 25以上28未満(警戒) | 積極的に休憩し、水分・塩分をとる |
| 21以上25未満(注意) | 積極的に水分・塩分をとる |
子どもは背が低く地面に近いため、大人の顔の高さより暑い所にいます。東京都心の例では、高さ150cmで32.3℃のとき、50cmでは35℃を超えていました。出典: 環境省 暑さ指数 出典: 環境省 熱中症環境保健マニュアル
環境省のマニュアルは、日ごろから適度に外遊びをして、暑さに体を慣らしておくことも勧めています出典: 環境省 熱中症環境保健マニュアル。暑さ指数が高い日は、朝や夕方の涼しい時間、日陰や水遊びのできる場所を選び、外で遊べない日は家の中で体を動かします。
遊具の事故は、消費者庁に1,518件の情報が寄せられ、約3割は入院が要るか治療に3週間以上かかるものでした。消費者庁は、6歳以下の子には保護者が付き添うこと、フードやひものある服で遊ばないことなどを呼びかけています出典: 消費者庁 遊具の事故。
遊び場や時間がないときは
- 短い時間を合わせる。登園や買い物の行き帰りに、少し遠回りして歩く出典: 文部科学省 幼児期運動指針
- ボール遊びが禁止の公園では、追いかけっこ、虫や草花の観察、遊具など、その公園の決まりの中でできる遊びを選ぶ
- 体を動かす時間が少ない子は、まず少しでも体を動かすことから始める出典: 厚生労働省 身体活動・運動ガイド2023
子どもの外遊びのよくある質問
外遊びをたくさんした子は、どうなりますか?
外遊びの時間が長い幼児ほど体力が高い傾向があり、社会性や自己調整とも良い関係が報告されています出典: 幼児期運動指針ガイドブック出典: Johnstone ほか 2022。ただし、外遊びが原因でそうなったと確かめた質の高い研究はまだありません。
外で遊ぶと頭が良くなりますか?
外遊びで知能や学力が上がると確かめた研究は見つかりませんでした。自然遊びの研究のまとめでも、測り方がばらばらで、しっかりした研究が必要だとされています出典: Dankiw ほか 2020。
外遊びは1日何時間させればいいですか?
文部科学省の指針は、屋内も含めて毎日合計60分以上体を動かすことを目安にしています出典: 文部科学省 幼児期運動指針。WHOは3〜4歳に1日180分以上の体を動かす活動を勧めています出典: WHO 2019。外遊びだけで何時間という国の目安はありません。
暑い日も外で遊ばせたほうがいいですか?
暑さ指数が31以上の日は、運動は原則中止が目安です出典: 環境省 暑さ指数。涼しい時間や日陰を選び、外で遊べない日は家の中で体を動かします。日ごろの外遊びで暑さに体を慣らしておくことも勧められています出典: 環境省 熱中症環境保健マニュアル。
参考にした資料
外遊びの効果と時間の目安は文部科学省・厚生労働省・スポーツ庁・国立青少年教育振興機構の資料とWHO、海外の研究のまとめ(系統的レビュー)、安全は環境省・消費者庁の資料で確かめました。出典のない体験談や宣伝のページは根拠にしていません。
資料の一覧と、参考にした内容
- 文部科学省「幼児期運動指針」(2012年3月)
2026-10-14、担当が本文を確認。毎日、合計60分以上、4割を超える幼児の外遊びが1日60分未満、実現可能な時間として目安。
- 文部科学省「幼児期運動指針ガイドブック」(2012年)
2026-10-14確認(調査役)。p.10 明快なデータは困難・外遊び時間別の体力、p.25-26 意欲、p.28「単純な因果の関係としてではなく」。
- WHO「To grow up healthy, children need to sit less and play more」(2019年4月24日)
2026-10-14、担当が確認。3〜4歳は1日180分以上、うち60分以上は中〜高強度。座ったままの画面は1時間まで。
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
2026-10-14確認(調査役)。こども版 p.11-12、少しでも体を動かす、WHO 2020 の60分を参考に。
- スポーツ庁「令和7年度 全国体力・運動能力、運動習慣等調査」結果の概要
2026-10-14確認(調査役)。p.2 小5 1週間の運動時間と体力合計点。運動時間は遊びとスポーツを区別しない。
- 国立青少年教育振興機構「子供の頃の体験がはぐくむ力とその成果に関する調査研究」報告書(2018年3月)
2026-10-14確認(調査役)。20〜60代5,000人のウェブ調査、子どもの頃の外遊びと自己肯定感。
- 国立青少年教育振興機構「青少年の体験活動等に関する意識調査(令和4年度調査)」概要
2026-10-14確認(調査役)。p.9 自然体験「多い+やや多い」33.8%(令和元年38.7%)。
- 日本学術会議 提言「我が国の子どもの成育環境の改善にむけて―成育空間の課題と提言2020―」(2020年9月25日)
2026-10-14確認(調査役)。p.10-11 外遊びの機会の保障。政策の提言。
- Brussoni M ほか(2015)What is the relationship between risky outdoor play and health in children? A systematic review. International Journal of Environmental Research and Public Health 12(6):6423-6454
2026-10-14、担当が要旨を確認。全体として良い効果(身体活動・社会的な健康・行動)。社会的な力の証拠は非常に低い(本文、調査役)。
- Tremblay MS ほか(2015)Position statement on active outdoor play. International Journal of Environmental Research and Public Health 12(6):6475-6505
2026-10-14確認(調査役)。専門家の合意による立場表明。
- Dankiw KA ほか(2020)The impacts of unstructured nature play on health in early childhood development: A systematic review. PLoS One 15(2):e0229006
2026-10-14、担当が要旨を確認。16研究、測り方がばらばら、しっかりした研究が必要。
- Johnstone A ほか(2022)Nature-based early childhood education and children's social, emotional and cognitive development: a mixed-methods systematic review. International Journal of Environmental Research and Public Health 19(10):5967
2026-10-14、担当が要旨を確認。自己調整・社会的スキルと良い関係、証拠の確かさは非常に低い。
- 環境省 熱中症予防情報サイト「暑さ指数(WBGT)について」
2026-10-14、担当が確認。日本スポーツ協会の指針による運動の目安(31以上 原則中止 など)。
- 環境省「熱中症環境保健マニュアル2022」
2026-10-14確認(調査役)。3-2章 子どもの特徴、外遊びで暑熱順化、地面に近いほど高温。
- 消費者庁「遊具による子供の事故に御注意!」(平成28年2月10日)
2026-10-14、担当が確認。1,518件、入院等397件。6歳以下は保護者が付き添う、フード・ひも(調査役)。

