続けてほしい親と、やめたい子。どう話し合う?
この記事でわかること
「最後までやってから」と説得する前に、何をやめたいのか聞いてみましょう。今日の練習がつらいのか、その活動自体をやめたいのかで話は変わります。続けることを結論にせず、休む・条件を変える・やめる選択も一緒に考えます。
この記事の目次
「やめたい」の中身を分けて聞く
習い事の出発前に「行かない」。月謝も払ったし、自分でやりたいと言ったのに、と親が戸惑うのは自然です。ただ、その場で始めた理由や約束を並べても、今日困っていることは分からないままです。
まず「今日は行くのが嫌なんだね。何かあった?」と短く聞きます。答えが出なければ問い詰めず、落ち着いてから「難しいところがある? 誰かと嫌なことがあった?」と一つずつ確かめます。
- 今日だけ休みたいのか、しばらく離れたいのかを分ける。
- 体の痛みや怖い出来事があるなら、継続の相談より先に確認する。
- 大人の推測を答えにせず、「違う」と言える余地を残す。
親の願いも、本人の気持ちと分ける
「親は、できるようになる喜びを知ってほしいと思っていた」と、自分の願いとして伝えることはできます。一方で「あなたのためなんだから」と続ける理由を子どもの気持ちに置き換えないようにします。
まだ数回だから続けてほしい、費用が気になるという事情もあります。費用や退会手続きの判断は大人が引き受け、「お金がもったいないから我慢して」と子どもに責任を負わせず、実際に選べる案を示しましょう。
続けるか、やめるかの二択にしない
活動そのものは好きでも、時間が長い、人数が多い、練習の一部分が嫌なこともあります。本人の話を聞いた上で、教室の先生と相談できる変更を探します。安全や対人関係の問題が疑われるときは、本人をその場に戻して試すことを急ぎません。
- 疲れているなら、いったん休んでから考える。
- 一部が難しいなら、取り組む量や方法を先生と相談する。
- もう関心がないなら、やめる手続きと残りの予定を大人が確認する。
- 試してみる場合は、本人と相談する日を決め、延々と先延ばしにしない。
話せない日は、結論を急がない
出発まで数分しかない日に、気持ちを全部聞き出すのは難しいものです。「今、全部決めなくていい。今日はどうするか大人が連絡するね」と、その日の対応と今後の判断を分けます。親も落ち着いて話せる時間を選びましょう。
家の工作なら「今日はここで終わりにしよう。残すか片付けるかは後で決めよう」で十分なこともあります。一度終わりにしたことを、粘り強さがないという評価に結び付けません。
やめた後も、好きだったことは残る
習い事をやめても、家でその遊びをすることはできます。教室の絵は嫌でも自由に描くのは好き、競争は苦手でも水遊びは楽しい、という違いがあるかもしれません。「何が好きだった?」と聞ける日が来たら、別の楽しみ方を探してみます。
続ける場合も、次の目標を親だけで増やさず、本人がやってみたいことを確認します。ここで挙げた相談の進め方は編集部案であり、続けること・やめることの一方が常に正解だという意味ではありません。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
「長いのが嫌? ここが怖い?」と、具体的な場面を一つずつ確認する案から。答えを選ばせること自体が負担なら、その日は聞くのをやめます。
5歳ごろ
好きな時間と嫌な時間を絵や指さしで分けてみる案もあります。話せる量に合わせ、変更できる部分を大人が調べます。
6歳ごろ
休む・回数を変える・やめる、それぞれ次に何が起きるか短く説明して相談します。一人で判断する責任を負わせる必要はありません。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- 文部科学省『幼稚園教育要領』(平成29年告示)
第1章の主体的な活動と一人一人の特性への配慮を背景に参照。習い事の継続・退会の判断基準を示した資料ではなく、本文の相談手順は編集部案です。
- 文部科学省『子育てをしている、子育てに悩んでいるすべての方へ』
家庭だけで悩みを抱えず地域の支援を利用できるという案内を参照。子どもの継続意欲への効果を示す資料としては扱いません。
