「できない!」ですぐやめる。手伝う?見守る?
この記事でわかること
まず「どこが難しかった?」と確かめ、本人が望むところだけ手伝ってみましょう。泣いて話せないときは、挑戦を続けさせるより休憩を。やめた一場面だけで、粘り強さがないと決める必要はありません。
この記事の目次
すぐ直す前に、困ったところを探す
積み木の塔が崩れて「もうやらない!」。親は、もう一回だけ試せばできそうなのに、と感じます。けれど、子どもが困っているのは積み方でしょうか。崩れた悔しさでしょうか。今は疲れているのかもしれません。
まず「高くしたかったのに倒れたね」と、起きたことを短く伝えます。本人が触り続けているなら少し待ち、こちらを見て助けを求めるなら「下を押さえようか」と具体的に聞いてみます。
- 説明できそうなら「どこを手伝おう?」と聞く。
- 答えが出なければ「押さえる? いったん休む?」と選択肢を減らす。
- 怒って道具を投げそうなら、道具を置いて安全を確保する。
手伝うのは、一か所から
折り紙がずれるなら、大人が角を押さえ、折るところは本人に任せる。パズルなら完成させるのではなく、探すピースを少なくする。「自分でやりたかった」を残せる手助けを考えます。
手伝おうとして「触らないで」と言われたら、手を引いて「わかった。必要になったら呼んで」と伝えます。見守ることは、何があっても助けないことではありません。どれくらい助けてほしいかは途中で変わっても大丈夫です。
- 「一つやって見せる? 一緒にやる?」と頼み方を選べるようにする。
- できたら「今度は下を広くしたんだね」と、変えたところを言葉にする。
今日はやめる、も残しておく
「あと一回」を何度も足すと、終わりが見えなくなります。本人がやめると言ったら「途中のまま置いておく? 片付ける?」と区切りを相談しましょう。完成しなかった作品を失敗の印として扱う必要はありません。
翌日、子どもがまた触りたくなったら続けられるようにする。それも一つの支え方です。再挑戦を約束させたり、好きなおやつと引き換えに続けさせたりせず、戻れる余地を残します。
親に余裕がない日は、短く区切る
夕食前にじっくり付き合うのは難しいものです。「今は一つだけ押さえられるよ。その後はご飯を作るね」と、できる手助けを具体的に伝えて構いません。励ます言葉が出ない日もあります。
つい「またすぐ諦める」と言ってしまったら、「さっきは決めつけたね。どこが難しかったか、まだ聞いてなかった」と言い直せます。粘り強さを教えるために、親が毎回完璧に対応する必要はありません。
落ち着いた日は、終わりを小さくする
遊ぶ前に「今日は橋の土台まで」と短い区切りを決めたり、本人が簡単だと感じる遊びから始めたりしてみます。公園なら、初めての遊具を全部登るのではなく、本人が行きたい位置を一緒に確かめます。
難しい課題を長く続けることだけを目標にせず、「困ったと伝えた」「方法を変えた」「助けを頼んだ」ことにも目を向けます。以下の声掛けや年齢別の工夫は、家庭で試すための編集部の提案です。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
積み木なら「持っておく係」を大人が担当するなど、目の前の一動作を助ける案から。言葉で理由を説明できなくても構いません。
5歳ごろ
工作なら「切るところと貼るところ、どちらを手伝おう?」と、本人が望む手助けを選べる形にしてみます。
6歳ごろ
再開したいときは「前と同じ方法にする? 何か変える?」と相談する案も。考えが出ない日は大人と一緒で大丈夫です。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- 文部科学省『幼稚園教育要領』(平成29年告示)
第2章「人間関係」内容の取扱い(1)の、行動を見守りながら適切に援助する考え方を参照。幼稚園の教育指針であり、本記事の会話や家庭での効果を検証した資料ではありません。
