一緒に遊びたいのに、やりたいことが違うとき
この記事でわかること
「一緒にいたい」と「同じ遊びをしたい」は分けて考えてみましょう。順番にする、遊びをつなげる、近くで別々に遊ぶ方法があります。どちらかが嫌がるなら、一緒に遊ばない選択も残します。
この記事の目次
まず、それぞれ何をしたいか聞く
公園で会えたのに、一人は追いかけっこ、もう一人は砂場。親は「せっかくだから一緒に遊びなよ」と言いたくなります。けれど、会えたことがうれしくても、その瞬間にしたい遊びは違うかもしれません。
「一緒に走りたいんだね」「砂のケーキを作りたいんだね」と両方を聞きます。一方を説得するために「ほら、お友達がかわいそう」と言わず、誘われた側にも断る余地を残します。
- 一緒に遊ぶことを、あらかじめ決まった約束にしない。
- 断られた子の残念さも「一緒にしたかったね」と受け止める。
- 繰り返し誘う前に、今は相手がしたくないことを伝える。
つなげられそうなら、一案だけ出す
二人とも何か一緒にしたそうなら、「砂のケーキをお店に運ぶ遊びはどう?」とつなぐ案を出してみます。ただし、砂場の周りを走るなど危ない方法にはせず、その場所で安全にできる遊びにします。
大人の案が採用されなくても失敗ではありません。「違うか。じゃあ、今はそれぞれしよう」と戻れます。どちらの遊びも、共同作業に作り変える必要はありません。
- 順番にするなら、交代の区切りを双方と相談する。
- 別々の場所で作ったものを、後で見せ合う。
- 近くでそれぞれ遊び、ときどき声を掛ける。
誘いを断られた子には、次を一緒に探す
「一緒に遊んでくれない」と泣いたら、すぐに相手を呼び戻そうとせず、「走りたかったんだね」と残念さを聞きます。「嫌われたんじゃない」と断言するより、「今は砂遊びをしたいと言っていたね」と、分かっていることを伝えます。
その上で「大人と短く走る? 別の遊びを探す?」とできる案を出します。親が付き合えないときは「今日は走る相手にはなれないけれど、ここで見ているよ」と具体的に伝えて構いません。
いつも片方が合わせていないか見る
一緒に遊べたという結果だけでなく、一人が毎回我慢していないかにも目を向けます。「本当は何をしたかった?」と後から聞く機会があると、言えなかった希望が分かることもあります。
嫌なことを断ると脅される、仲間外れにすると言われる、怖くて離れられない状況は、遊びの好みの違いだけで済ませません。大人が間に入り、安全に離れられるようにし、園でのことなら先生と具体的な場面を共有します。
親子でも、別のことをする時間があっていい
子どもは積み木、親は隣で本を読む。それでも、できたものを見せたり一言話したりできます。「同じことをずっとする」以外にも、一緒に過ごす形があることを家庭で試してみましょう。
帰り道に振り返るなら、「今日は何が楽しかった?」くらいで十分です。違う遊びをしたことを残念な結果にせず、次に誘うかどうかも本人に任せます。本文の仲介や会話の具体例は、家庭向けの編集部提案です。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
それぞれのしたいことを大人が短く言い直し、近くで別の遊びをする案も示します。二人だけで折り合いを付けることを求めません。
5歳ごろ
一緒にしたい様子なら「交代する? 後で見せ合う?」と相談する案から。嫌だという返事もそのまま受け止めます。
6歳ごろ
「次はどう誘う?」を本人が考えたがるなら相談します。断られた理由を想像し続けるより、相手が実際に言ったことを確かめます。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- 文部科学省『幼稚園教育要領』(平成29年告示)
第2章「人間関係」の自分の思いを伝えること、他者の思いに気付くこと、共通の目的を見いだす経験を参照。具体的な遊びの調整案は、資料の指導例の転載ではありません。
