自分で選べない子。親はどこまで決めていい?
この記事でわかること
親が決める日があっても大丈夫です。まずは、安全・時間・予算などの条件を大人が整え、その中で小さく選べるようにします。「自分で決めて」と任せるだけでは難しい場面もあります。
この記事の目次
迷っているのか、選びたくないのか
「どれでもいい」と言われたら、すぐに意思が弱いと決めつけず、今の状況を見ます。選択肢が多い、違いがわからない、疲れている、どちらでも構わないなど、同じ言葉でも事情は違います。
「一緒に決める?今日は私が決めようか」と聞いてみます。親が決めてほしいという希望も、その場の意思表示です。毎日のすべてを子どもに選ばせる必要はありません。
どちらを選んでもいい二つを出す
服なら、天気に合う二着を出して「今日はどちらにする?」。親が認められない選択肢を混ぜておいて、選んだあとに「それはだめ」と取り消すことは避けます。先に選べる範囲を伝えると話が簡単になります。
物を目の前に置く、少し触ってみるなど、比べる手がかりも用意します。「赤か青か」より「柔らかい方とポケットがある方、今日はどっち?」のほうが選びやすい子もいます。二択でも難しければ、親が一つ提案して反応を確かめます。
- 遊び:絵を描くか、積み木をするか。少し試してからでもよい。
- 持ち物:一緒に持っていくぬいぐるみを、二つから選ぶ。
- 食器:使ってよいコップを二つ見せ、指さしでも受け取る。
親の正解を当てる時間にしない
子どもが選んだあと、「本当にそっちでいいの?」と何度も確認すると、別の答えを期待されているように感じることがあります。どちらでもよい場面なら、「今日はこれにしたんだね」と受け取ります。
理由をうまく説明できなくても、選択を無効にしません。「なんとなく」「こっちが好き」でも十分。親と違う好みを選んだときこそ、選ばせた範囲を尊重します。必要な条件が変わったら、親の事情を言葉で説明します。
急いでいる朝は、親が決めてもいい
「もう出る時間だから、今日はこの上着にするね。帰ったら明日の服を一緒に見よう」。時間がないときは、決める役を親が引き受けます。選べなかったことを責めたり、「いつも決められないね」と性格の話にしたりしません。
待つと決めたのに苛立ってしまったら、「待てると思ったけど、今日は急いでいたね」と修正してよいのです。余裕のある時間に、一つだけ選べる場面をつくり直せます。
小さく試して、合わなければ見直す
遊びなら「少しやってから変えてもいい」としておくと、選んだ結果を確かめられます。反対に、購入や予約など戻しにくいものは、最初に条件を伝えます。何でも同じ重さの決断にしないことが大切です。
選ぶたびにつらそうで、園や家庭の生活でも困ることが続くなら、どんな場面で止まりやすいかを園と共有します。単に練習の回数を増やすのではなく、情報の出し方や負担を一緒に考えられます。
4・5・6歳ごろなら、こんな工夫も
年齢は目安です。その日の様子や、本人が使いやすい方法に合わせて選んでください。
4歳ごろ
実物を二つ見せ、言葉で答えなくても指さしや手に取る動きで受け取ります。
5歳ごろ
選んだものを少し試す時間をつくり、気に入った点を本人が話したときに聞きます。
6歳ごろ
予算や持てる数などの条件を短く共有します。理由を説明する試験にはしません。
家で遊んでみるなら
参考にした資料
子どもの気持ちや主体性を尊重する関わりについて、以下の資料を参考にしています。会話や年齢別の工夫は編集部が考えた例です。
資料の一覧と、参考にした内容
- 文部科学省「幼稚園教育要領」(平成29年告示)
本文p.13–14・第2章「人間関係」。領域「人間関係」の自ら考えて行動することと、大人が見守りつつ適切に援助する考え方を参照。二択の数や年齢別の手順を定めた資料ではありません。 家庭での会話や手順は編集部の提案です。
